今回は、父が睡眠時無呼吸症候群の検査を受けた時の話をしたいと思います。
睡眠時無呼吸症候群というと、寝ている時に呼吸が突然止まるというアレですね。
通常は寝ている本人が気付かないので、本人以外の周りの人が「死んだらどうしよう」と焦ってしまうやつです。
睡眠時無呼吸症候群ではないかと思った理由
我が家では父と母は同じ部屋で寝ていて、今までは父の「いびき」がうるさいという話は聞いていたのですが、ある時から呼吸が止まるという話が出てきました。
そこで、父が受診している様々な病院で、それぞれに質問をしていたのですが、前立腺肥大や頻尿で見ていただいている泌尿器科で「睡眠時無呼吸症候群は頻尿の原因になることもあります」と言われました。
ですが、その病院では睡眠時無呼吸症候群を診ないので、かかりつけの内科で早めに相談してくださいということでした。
睡眠時無呼吸症候群の症状
・いびき:気道が狭くなっている証拠で、無呼吸の後に大きないびきをかくことが多い ・無呼吸:睡眠中に10秒以上呼吸が止まることで、低酸素状態になる ・目が覚める:低酸素によって体が異常事態と認識して起きてしまうことがある ・日中の眠気:睡眠の質が悪くなることで、日中に強い眠気や倦怠感を感じる ・頭痛:起床時に低酸素による頭痛を訴えることがある |
睡眠時無呼吸症候群の症状としては、こちらのようなものがあるそうです。
睡眠時無呼吸症候群は、単なるいびきではなく重篤な合併症を引き起こす可能性がある病気で、心筋梗塞や脳卒中などのリスクが高まることもあるそうです。
要は、呼吸が止まることで体内の酸素が減るということのようです。
その頃父は、息が上がることがよくあり、当時の血中酸素濃度はひどいと90%を下回ることも多かったです。画像は88%になってしまった体調の悪い時のものです。
通常の問題のない方の酸素濃度は98〜99%で、慢性的に95%以下になると酸素吸入をして生活するようになります。
父は20代の頃に肺結核、その後に肺炎をしたため肺機能が弱く血中酸素濃度が低いのかと思っていましたが、「睡眠時無呼吸症候群」のせいもあるのかもしれません。
泌尿器科で睡眠時無呼吸症候群は「頻尿」と関係している場合があるとは言われましたが、睡眠時無呼吸症候群について調べると、頻尿だけでなく、命にかかわるとても大変な病気だとわかりました。
睡眠時無呼吸症候群の原因
閉鎖性睡眠時無呼吸症候群 | 中枢性睡眠時無呼吸症候群 |
・肥満 ・加齢 ・寝酒 ・喫煙 ・顎が小さい ・舌が大きい |
・心臓の病気(心房細動、心不全など) ・脳の病気などがある ・オピオイド系鎮痛薬の慢性服用 |
睡眠時無呼吸症候群の原因には閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)と中枢性睡眠時無呼吸症候群(CSAS)の2つがあり、それぞれに睡眠時無呼吸症候群になる理由が異なるそうです。
閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)は、喉の空気の通りが悪くなっている人が発症します。
そして、父の睡眠時無呼吸症候群は、閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)に原因がありそうなところまでは理解できました。
睡眠時無呼吸症候群の検査
睡眠時無呼吸症候群ではないかと、近所の内科の先生に相談したところ、血圧や血中酸素濃度などを調べた後に、自宅で、簡易型終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)をすることになりました。
簡易型終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)は、一晩、上の図のような検査機器をつけて眠ることで検査をします。これは、帝人から宅配便で検査キットが送られてくることから始まります。
検査キットは指には血中酸素濃度がわかるプローブを付け、気流がわかるように鼻カニューラを付け、それらのコードやチューブを手首に付けた機械に接続します。
この機器には通信機能が付いていて検査状況が転送される仕組みになっています。
こちらの検査では「血中酸素飽和度」「口鼻の気流」「胸腹の動き」「心電図」「体位」「いびき」などが測定できるのだそうです。
検査機器は検査会社から直接自宅に宅配便で郵送されてきて、自宅で自分で検査をします。こちらが我が家に届いたキットの中身のです。診察の翌日には届けていただくことができました。
検査はキットになっているので、とてもわかりやすいです。また、検査会社の方から何度も電話でフォローがあり安心して検査を行えました。
睡眠時無呼吸症候群 簡易型終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)の判定基準
無呼吸低呼吸指数(AHI) | 酸素飽和度低下指数(ODI) |
・AHIが40回/時以上:重症の睡眠時無呼吸症候群と診断される ・AHIが20~40回/時:中等度の睡眠時無呼吸症候群と診断される ・AHIが5~20回/時:軽度の睡眠時無呼吸症候群と診断される ・AHIが5回/時未満:正常範囲と判断される |
・1時間以内に酸素飽和度が90%以下になる回数 ・1時間以内に4%以上低下回数 |
睡眠時無呼吸症候群 簡易型終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)の判定は「無呼吸低呼吸指数(AHI)」「酸素飽和度低下指数(ODI)」などから算出されます。
AHIは、1時間あたりに起こる無呼吸と低呼吸の回数です。無呼吸は、気流が10秒以上停止することで、低呼吸は、気流が50%以上低下し、酸素飽和度が3%以上低下するか、覚醒反応が起こることで定義されます。
ODIは、1時間あたりに起こる酸素飽和度の低下回数です。酸素飽和度の低下は、酸素飽和度が90%以下になるか、4%以上低下することで定義されます。
こちらの検査で重篤な症状が疑われる場合には、入院してより精密な検査が行われます。
父の検査結果はAHIが23でしたので中等度でした。1晩に2分半ほど呼吸が止まっている時間があったそうです。ですが、今回は特に処置はせずに定期的に経過観察することになりました。
そのため、特に頻尿の改善もみられないという状況になりました。
まとめ
今回は、睡眠時無呼吸症候群の検査を行ったことについてご紹介しました。ポイントはこちらです。
・睡眠時無呼吸症候群はただのいびきではい ・睡眠時無呼吸症候群で頻尿を感じることがある ・睡眠時無呼吸症候群は自宅で簡易検査できる ・睡眠時無呼吸症候群がひどいとCPAP(経鼻的持続陽圧呼吸療法)という治療法がある |
内科の先生に睡眠時無呼吸症候群の相談をした際の第一声は「よく気付きましたね。素晴らしい♪」という言葉でした。
なぜかというと、普通では家族でもあまり気付くことがないのだそうです。
確かに、ご夫婦がたとえ同じ寝室でも、いびきがうるさいと聞かないようにしてしまいますよね。
でも、睡眠時無呼吸症候群はただのいびきではなく、簡易検査はとても手軽で簡単です。ご家族に心配な方がいる場合には注意してあげてください。