椎間板ヘルニアや変形性腰椎症は治らない?腰痛の時の対応を紹介

父は腰痛にも悩まされています。現在は変形性腰椎症ですが、その前にも椎間板ヘルニアで腰痛を経験しました。

父が腰痛を訴えるのですが、痛みの状態がわからないため「普段のギックリ腰と比べると、どう違うの?」と聞いたところ、父はギックリ腰をしたことがありませんでした。

そのため、「椎間板ヘルニア」と「ギックリ腰」の痛みの差までは理解できず、残念です。。

こちらでは、父が経験した「椎間板ヘルニア」と「変形性腰椎症」についてご紹介します。

椎間板ヘルニアの症状・原因・治療法

2017年に腰痛を訴え、整形外科を受診すると「椎間板ヘルニア」と診断されました。

椎間板ヘルニアというのは、背骨の腰の部分である腰椎の間にあるクッションの役割をする椎間板の一部が、何らかの原因でひびが入り、内部にあるゼリー状の組織が飛び出して神経を圧迫するのだそうです。

椎間板ヘルニアの原因は、遺伝や喫煙などが関係すると考えられています。また、悪い姿勢や重いものを持つなどの動作や作業もヘルニアを起こしやすくすることが知られています。

椎間板ヘルニアの症状は、腰やお尻が痛み、下肢にしびれや痛みがでたり、足に力が入りにくくなったりします。また、背骨が横に曲がったり、重いものを持ったりすると痛みが強くなったりすることもあるんですね。

椎間板ヘルニアの診断は、下肢伸展挙上試験や下肢の感覚や筋力の検査などで行います。さらに、X線やMRIなどで検査を行い診断を確定させます。

下肢伸展挙上試験というのは、仰向けに寝て膝を伸ばしたまま下肢を挙上し、坐骨神経に沿う痛みやしびれが出るかどうかを確認するのですが、通常は70°~90°まで痛みなく挙上できますが、35°~70°の間で神経症状が出る場合は椎間板ヘルニアが疑われるそうです。

椎間板ヘルニアの治療は、安静にしたり、コルセットをつけたり、消炎鎮痛剤や神経ブロックなどで痛みを和らげる保存療法というものがあります。

また、牽引や運動療法なども行うことがありますが、これらの方法でよくならない場合や下肢の脱力や排尿障害がある場合は手術がすすめられることがあるそうです。

最近では内視鏡を使った低侵襲手術も広く行われるようになってきているそうで、手術も少し気軽なようですね。

しかし、椎間板ヘルニアは多くの場合には、自然に消えるため、無理な治療はせずに経過観察する場合が多いようです。

椎間板ヘルニアになる原因

原因 内容
加齢 年齢とともに椎間板が劣化し、線維輪が破れやすくなる
姿勢 反り腰や猫背などの悪い姿勢は、椎間板に負荷をかける
体重 体重が重いと、椎間板にかかる圧力が増す
生活習慣 長時間座ったり立ったりする、同じ動作を繰り返す、喫煙するなどの生活習慣は、椎間板の血流を悪化させたり、変性を促進させる
外傷 転倒や交通事故などで、椎間板に強い衝撃が加わり、ヘルニアを引き起こすなど
遺伝 生まれつき椎間板が弱い、マルファン症候群などの遺伝性の疾患があるなど

椎間板ヘルニアは、姿勢や生活習慣など環境による要因と、体質や骨の形などの遺伝的要因・加齢が関係しているといわれています。

ですが、父の椎間板ヘルニアは原因までは特定できませんでした。椎間板ヘルニアの場合、原因の特定まではしないことの方が多いようですね。

椎間板ヘルニアの治療法

保存療法 手術療法
・安静:患部に負担をかけないように安静にする
薬物療法:消炎鎮痛薬や筋弛緩薬を使って痛みを抑える
・理学療法:筋肉を強化するための体操や、専用の器具で身体を牽引
・ブロック注射:神経への痛みの伝達をブロック
・後方椎間板切除術:患部を背中側から切開しヘルニアを切除
・椎間固定術:金属などで骨を固定する方法
・経皮的椎間板療法:背中を切開せずにヘルニアを切除(保険適応外)

治療法は「保存療法」「手術療法」の2つがありますが、自然に治ることもあるため、まずは「保存療法」で様子を見るそうです。

また、手術の場合には後遺症で痺れが残ることが心配されるため、一般的な痛みの場合にはすぐに手術を行うことはありません。

父が選んだ椎間板ヘルニアの治療はブロック注射

良い点 悪い点
即効性が高い:ブロック注射は、痛みの元となる神経や関節に直接麻酔剤やステロイド剤を注入することで、痛みや炎症を素早く抑えることができます。痛みやしびれで日常生活に支障がある場合には、効果をすぐに実感できる治療法です。

安全性が高い:ブロック注射は、局所的に麻酔剤を注入するだけなので、体への負担は他の治療法に比べて低いです。副作用もほとんどなく、子供から高齢者まで利用できます。また、注射後はすぐに帰宅できるので、時間的な制約も少ないです。

悪循環を防ぐ:ブロック注射は、根本的な痛みを取り除くだけでなく、痛みによる悪循環を防ぐことも目的としています。痛みが起こると、血流が悪くなったり、筋肉が緊張したりして、さらに痛みが悪化することがあります。ブロック注射で一時的に痛みを和らげることで、この悪循環を断ち切り、長期的な改善につなげることができます。

・一時的な効果:ブロック注射は、麻酔剤やステロイド剤の効果が切れると、再び痛みやしびれが出てくる可能性があります。そのため、ブロック注射だけではなく、安静や理学療法などの他の治療法と併用することが必要です。

・回数制限がある:ブロック注射は、保険診療の場合は週に1回、月に5回までしか適用されません。それ以上は全額自己負担になる場合があります。また、社会保険や国民健康保険の場合は、3か月以上たつと月に打てる回数が3回までに制限されます。そのため、ブロック注射を長期間続ける場合は、費用や保険の問題に注意する必要があります。

・医師の技術が重要:ブロック注射は、神経や関節に正確に針を刺入する必要があります。そのため、医師の熟練した技術と豊富な経験が必要になります。ブロック注射を受ける場合は、実績のあるクリニックや医師を選ぶことが大切です。

父が選んだ治療法は「ブロック注射」でした。偶然近所にブロック注射で有名な先生がいらしたこともありましたが、自然治癒を待てるほどの状況ではなかったようです。

腰痛の診断は「整形外科」でしていただきましたが、「ブロック注射」は麻酔科の先生が行うため、整形外科の先生から紹介状を書いていただいて、近くの「ペインクリニック」を受診し7回のブロック注射で終了しました。

変形性腰椎症の症状・原因・治療法

椎間板ヘルニアの治療が終わってから数年経った2022年、また腰が痛いというので整形外科に行ったところ「変形性腰椎症」との診断を受けました。

変形性腰椎症は、加齢によって腰の骨(腰椎)やその間にあるクッション(椎間板)が変形する病気だそうです。変形すると、腰椎の動きが制限されたり、骨のとげ(骨棘)ができたりして、神経を圧迫したり刺激したりして痛みが出るのだそうです。

こちらは、実際の父のレントゲン画像なのですが、椎間板が変形しているのと神経が狭窄している部分がわかります。神経が狭窄している部分はやはり痛みがあるようです。

変形性腰椎症になる原因

原因 内容
加齢 加齢によって、腰椎や椎間板の水分が減り、すり減ったりへたったりします。これによって、腰椎の動きが制限されたり、骨棘ができたりして、神経を圧迫したり刺激したりします。
重労働や遺伝的な素因 重労働や遺伝的な素因も変形性腰椎症の発症に関係することがあります。重労働は、腰椎や椎間板に過度な負担をかけることで変形を促進してしまうことがあります。遺伝的な素因は、椎間板の質や形などに影響することで変形しやすくなります。

変形性腰椎症は加齢や、重労働や激しいスポーツ・生活習慣などが原因で発症するそうです。

腰への負担が重なることで、椎間板の弾力性が失われ椎骨が変形し、神経を刺激して痛みが発生するのだそうです。 変形性腰椎症では、痛みを避けようとするために姿勢がゆがんでしまうほどだそうです。

父の変形性腰椎症は、加齢が原因との診断でした。よく、加齢で骨のクッションがなくなってしまい痛みが出ると言われますが、まさにこれがその痛みに当たるのですね。

変形性腰椎症の治療法

保存療法・対症療法 手術
・安静やコルセット:安静にすることで腰椎に負担をかけないようにします。また、コルセットをつけることで腰椎を固定し、動きを制限します。これによって、痛みを和らげることができます。

・薬物療法:痛み止めや筋弛緩剤を内服することで、痛みや筋肉のこわばりを改善します。また、消炎鎮痛剤やステロイド剤を注射することで、炎症や神経の圧迫を減らすことができます。

・神経ブロック注射:神経の周りに麻酔薬やステロイド剤を注射することで、神経の伝達を遮断し、痛みを和らげることができます。神経ブロック注射は一時的な効果しかないため、定期的に行う必要があります。

・温熱療法や電気療法:腰を温めることで血流を促進し、筋肉の弛緩や代謝の向上を図ります。また、電気刺激や超音波などを用いることで、筋肉のコリや神経の刺激を和らげることができます。

・椎間板切除術:変形した椎間板の一部や骨棘を切除することで、神経の圧迫を解除します。この手術は内視鏡を用いて低侵襲に行うこともできます。

・椎間固定術:変形した腰椎同士を金属製のネジや棒などで固定することで、動きによる神経の刺激や不安定性を防ぎます。この手術は一般的に開背手術で行われます。

変形性腰椎症の基本的な治療は保存療法・対症療法です。これらの方法で効果が得られない場合や神経症状が強い場合には手術を行うことがあるということです。

血流を良くすることで痛みが改善する場合もあり、湿布や痛み止め注射などと飲み薬を併用することもあるそうです。父の場合はこちらの方法を勧められました。

父が選んだ変形性腰椎症の治療法

当初、父はブロック注射を希望したのですが、痛みのポイントが特定できないのでブロック注射はすすめられないと先生から言われました。

というのもブロック注射は神経の伝達をブロックする注射なのですが、父の腰痛の場合「骨」に痛みがある可能性があるからだそうです。骨の痛みはブロックする注射では対応できないそうなのです。

また、変形性の場合にはよく効く湿布があるので、普通は湿布で痛みが軽減するのだそうです、父は肌が弱くかぶれてしまうので湿布ができません。

そのため、対症法として飲み薬と塗り薬、そしてリハビリも行いました。リハビリは腰を電気で温めた後にプロテックという機械を使って運動をしていました。

プロテックは、腰の負担を最小限にして、腰を左右に回したり、股関節の開閉をしたり10分間自分で運動をする機械なのです。

腰が痛くても腰に負担をかけずに運動ができるし、運動できると血流がよくなって体が温まる上、筋トレにもなるので一石何鳥にもなるのですね。

まとめ

今回は、父の腰痛の話をまとめてご紹介しました。

・椎間板ヘルニアは保存療法・手術で治すことができる
・父はブロック注射で椎間板ヘルニアの痛みを抑えた
・変形性腰椎症は飲み薬と塗り薬で対応している

父は、座った時にとても偏った姿勢をしていたため、「姿勢が悪いから腰痛になる」のか、「腰痛が痛いから姿勢が偏る」のかとても疑問でした。

でも、お医者さんに聞いたところ、「両方あるんですよね〜」というお返事でした。確かにそうですよね。