自宅酸素療法を始めたものの、それでも続く父の失神。。
失神の理由は脳・血管ということが判明しました。こちらでは判明するまでの経緯を書きます。
自宅酸素療法を始めるまでの経緯は以下の記事にありますので、よろしければ合わせてお読みください。
2022年の冬は、夜間のトイレの転倒だけでなく、昼間にも失神するようになりました。 ここから、いくつかの経緯があり結局、在宅酸素療法を始めることになったことを書きます。 食後に転倒することがたびたび 2022年(87歳) …
自宅酸素療法後も続く過呼吸からの失神で呼吸器内科へ
過呼吸からの失神が続くので、自宅酸素療法の酸素流量が足りないのではないかと、かかりつけ医の先生に相談しました。
ちなみに、失神するのは今のソファから食卓へのほんの4~5mの移動や、ソファや食卓からトイレにいく5〜6mという短い距離でよく起こりました。
呼吸が荒くなって、そのうちに目の焦点が失われ、手で何かを掴んだり空をかいたりするのですが、10秒もせずに戻り呼吸が整ったら普通の生活に戻ります。
先生の見立てでは、酸素流量は1Lで十分と判断されているようで、そこから大きな病院の呼吸器科にエスカーレーションされました。
失神するという状況があったので、いつもは自分でとる予約も今回はかかりつけ医から大きな病院に連絡してとってくれました。
呼吸器内科の後は循環器内科へ
大きな病院の呼吸器内科を受診して血液検査の他にMRIなどを撮っていただきましたが、結果は「年齢なみ」。
つまり「良くはないけどとりたてて悪くもない」という結果で、失神するほどでもないということになりました。
父は、もともと20代の頃に肺結核で肺の1/5(左下葉)を切除していることと、肺炎の経験もあったので息苦しいのは肺のせいだと思っていましたが、調べることっていろいろあるのですね。
そこで、今度は循環器内科の受診をすすめられ、心電図や心エコー検査を行いましたが、こちらの結果も「年齢なみ」とのことでした。
結局、「動く時には危ないので酸素をあげてください」とのことだったのですが、酸素の機械までの移動はどうするのか?という話になり酸素流量を1Lから2Lに上げることにしました。
薬をもらいに行った脳外科で驚きの診断!
内科での診断が一区切りついたところで、脳外科の薬がなくなりました。
こんな時だったので、父と一緒に行きたかったのですが、母が父を動かすのを懸念して薬だけをもらいに行くことにしました。
ちなみに、父が脳外科にかかっている理由は、高血圧・脳幹への動脈が細くなっていること・頸動脈のプラークでの血管狭窄・動脈硬化です。
薬だけをもらいに行ったのに先生に呼ばれて、私が代理受診することに。そして、少しの移動で過呼吸になり失神する話をしたら、「なんで、本人を連れて来なかったんですか!」と怒られました。
ヤッパリソウデスヨネ。。
脳外科で私が話したことと先生からのお話を整理すると以下のようになります
私から、父の症状として話したことは以下のようなことです。
【父の状況】
・最近、過呼吸になって失神するので、自宅酸素を流量1Lで始めたが、それでも失神するので2Lにした |
これに対して先生からは、全て脳の方から説明が付きますとのことでした。
失神する理由は「脳幹に酸素が十分に送られていないこと」なんだそうです。ちなみに、脳幹の働きは以下のようなものがあるそうです。
【脳幹の働き】 ・自律神経の調節 ・呼吸の調節 ・体温の調節 ・免疫機能 ・ホルモンバランス ・睡眠、食欲、性欲の調節 ・毒素の排泄の調節 ・筋骨格バランス ・血管運動調節(血圧、心拍数など) |
こうして脳幹の働きを知ると、父の症状にぴったりなんです。本当に驚きです。
今回の先生の説明内容としては以下のようなものでした。
・脳幹への動脈が普通の1/5程度に細くなっているため血液に入った酸素が運ばれづらい ・動脈が硬化しているので大量の血液を送りたくても血管が広がらないので送れない ・過呼吸になると血液の中に酸素が増えるが二酸化炭素が(炭酸)が減るので気泡がなくなり血管がさらに細くなる ・こうした理由で「失神」する ・他にも血管の狭窄部分がある ・さらに大量の血液を流そうとすると血管が破裂する ・なお、血圧の乱高下は動脈硬化で血管が血圧をコントロールできていないから ・食後低血圧は、消化のために血がお腹に集まるために起こる ・低血圧になると便意をもよおす |
この後、脳外科に非常勤でいらしている循環器の先生とも連携して「自律神経のお薬」と、普段降圧剤を飲んでいる父ではありますが、昼食前のみ「昇圧剤」を試すことになりました。
食前に短期間効く「昇圧剤」を飲むことで、食後の血圧の低下を防ぐ狙いです。
これで、食後の失神はなくなりました。でも、まだ、少し失神が続きました。それは慌てて動く時だったのです。
立ち上がる前には必ず運動
画像引用:LIFEL介護
父は、通常階上の寝室で寝ています。起きた時と寝る時には、失神せずに普通に階段の上り下りができます。
なのに、なんでちょっとした動きで失神するのかと考えた時に、夜間のトイレで慌てて転倒した時のように「足の準備ができていない」のではないかという結論になりました。
そこで、立つ時には運動をするのが良いかもと、LIFULL介護さんで見つけたこちらの運動を試してみることにしました。
結果は良好です。ちょっとした動きでも安心せずこの運動をすることで過呼吸になることもなくなりました。この方法、是非おすすめです。
まとめ
今回は、父が過呼吸で失神する結果を探って行ったら、肺ではなく脳と循環器から説明がついたというお話でした。
ちなみに、先生が「説明がつく」という表現をするのは、倒れた瞬間の状況をみないと本当のところはわからないからなんだそうです。でも、倒れるのは予測不能なので血圧や脈拍など測れないですよね。
今回のお話でお伝えしたかったことは以下です。
・過呼吸からの失神は肺機能だけでなく循環器・脳も調べる ・血圧の乱高下は動脈硬化が原因 ・立ち上がる前にはまず運動 |
今回の過呼吸からの失神に関して、脳外科に行くまでの経緯(自宅酸素療法を始めるきっかけ)を、以下の記事で書いています。
自宅酸素療法の始め方について詳しく書いていますので、よろしければご確認ください。
2022年の冬は、夜間のトイレの転倒だけでなく、昼間にも失神するようになりました。 ここから、いくつかの経緯があり結局、在宅酸素療法を始めることになったことを書きます。 食後に転倒することがたびたび 2022年(87歳) …