2022年の冬は、夜間のトイレの転倒だけでなく、昼間にも失神するようになりました。
ここから、いくつかの経緯があり結局、在宅酸素療法を始めることになったことを書きます。
食後に転倒することがたびたび
2022年(87歳)冬くらいから、父が失神するようになりました。
最初は朝事後に薬を飲むための水を取りに行って、キッチンシンクにつかまって足をガクガクさせることから始まりました。
あわてて、後ろから腰を支えて、持ってきた椅子に座らせると、数十秒で元に戻ります。
しかし、気付かないとそのまま倒れます。倒れてしまうと頭を打つかもしれないし大腿骨の骨折などをしたら歩けなくなってしまうので注意が必要です。
倒れた時には顔色が青白く、冷や汗を書いている時もありました。血圧を測ってみると血圧は90台で低めの数字になっています。この時のの父の通常血圧は140〜150程度と高かったです。
後からわかったことですが、「食後低血圧」という現象があり、父はこれになっていたようです。食べた後、消化のために血液が胃に使われ体を巡らなくなる状態が「食後低血圧」です。
一般に、食後に眠くなる現象も「食後低血圧」なんだそうです。
過呼吸からの失神がで始める
食後とは限らないのですが少し歩くと、息が荒くなりそのまま過呼吸になって失神することが頻繁に起こりはじめました。
症状としては、少し動いた後息が上がり過呼吸になり、そのまま目がうつろになり手が空中をかいたり、何かをつかもうとするのです。これは酸欠の失神の特徴だそうです。
その様子は、海の中で溺れてもがいている人のようにも見えます。
そこから、10秒くらいで目つきが元に戻るのですが、呼吸を整えたらもう通常の生活と同じようになるのです。
父は、肺結核・肺炎の経験者で肺の1/5を切除しているので肺機能が低下していると理解していました。その時は。
通常の父の酸素飽和度は95%程度
その頃の、通常の父の血中酸素飽和度は95%程度で脈拍は70回/分程度でしたが、体調が悪くなると、血中酸素飽和度が下がり脈拍が上がります。
上の画像の時には血中酸素飽和度は91%程度で脈拍は144回/分程度となっています。
けれど、血中酸素飽和度が測れる時は良い方で、寒い時などは手が冷えて血流が読み取れないということも多かったです。
在宅酸素療法を開始
原因がわからない中での対症療法とはなりますが、先生からは「これで呼吸が楽になれば」ということで在宅酸素療法を処方してくださいました。
父に処方された酸素は「処方流量:1L/分」でしたが、在宅酸素療法を始めると血中酸素飽和度は98〜99%まで上がり、顔色に透明感が出ました。
ちなみに、毎月1回処方医を受診して経過を観察してもらいます。
在宅酸素療法とは?実施の流れ!
【処方内容】 ・酸素濃縮機:1機 ・携帯用酸素ボンベ:2本(携帯用のカート・カバー付き) |
内科を受診すると、先生がその場で在宅酸素療法の機器を貸してくれる「帝人」に電話をしてくれました。
その後、自宅に戻ると「帝人」から電話が入り、その日のうちに酸素のレンタル機器を設置しに来てくれました。
酸素濃縮機は濃縮酸素を作ってくれる機械で、父が家で過ごす際にはチューブを通してここから酸素が強制的に送られてきます。大きさは空気清浄機程度です。
そのため、設置場所によっては部屋の扉が閉められないなどのことがあります。
酸素ボンベは外出する時用で、2本レンタルしてもらいましたが1本が空になったら、電話をすると次の日に新しいボンベを届けてもらえるので空いたボンベとの交換になります。
ボンベの方は吸った分だけ酸素が排出されるようになっているので、外出中に酸素を無駄にすることがありません。
人によって処方流量が異なるので、ボンベの上に機械が取り付けられていて、この機械でコントロールしてくれます。この機会は3ヶ月に1回点検してもらえます。
酸素を吸うための鼻に入れるチューブはカニューラ といいますが、これは1ヶ月に1本ペースで交換できるようになっています。
これらは、一式で1ヶ月いくらでの貸し出しになりますので、携帯用の酸素ボンベは交換回数にかかわらずレンタル料は一定です。
また、レンタルの支払いは病院経由となっています。ちなみに、父は2割負担で1ヶ月8,000円弱です。これは高額医療の対象にもなります。
また、泊まりで出かけたいという場合には、携帯用酸素ボンベでは足りなくなるので、宿泊場所にじたくにあるのと同じ機器を届けてくれるサービスもあるそうです。
こうした在宅酸素の機器の使い方や注意点、使い方の工夫などは、また別の記事でご紹介します。
まとめ
今回は、在宅酸素療法についてご紹介しました。今回お伝えしたかったのはこちらです。
・血中酸素濃度が95%以下なら在宅酸素療法の保険適応になる ・在宅酸素療法の機器は専門の業者からのレンタルになる ・在宅酸素療法の機器は酸素濃縮機+携帯用酸素ボンベを使う(一式でレンタルされる) ・携帯用酸素ボンベはたくさん使ってもレンタル料は同じ ・在宅酸素療法している時には処方医を1ヶ月1回受診する |
在宅酸素療法を行う中で、様々驚きや工夫をしました。
その内容に関しては、また別の機会にご紹介します。